特定技能外国人制度の登録支援機関とは?

1.登録支援機関とは

登録支援機関とは、特定技能外国人所属機関(以下「受入れ機関」といいます。)から委託されて、支援計画の作成補助やその実施を行う機関です。

外国人を受入れる会社などから登録支援機関へは、全部又は一部の支援業務を委託することができます。

つまり、本来は受入れ機関が外国人に対して行う支援を、登録支援機関が代わりに行うということです。受入れ機関の中には、中小零細企業も多く、外国人への支援が十分に行えない可能性があるので、登録支援機関がそこをサポートしましょう、ということです。

以下が登録支援機関と受入れ機関のイメージです。

2.登録支援機関の役割

登録支援機関の役割は、受入れ機関の支援業務、計画作成、届出等のサポートをすることになります。

本来は受入れ機関が行う支援業務を、登録支援機関に委託することで、特定技能ビザの要件の一つを満たすことになります。受入れ機関としては、一から支援体制を整えなくてよく、特定技能外国人を雇用する管理業務の負担が減ると言えます。

注意点としては、形式だけ整えて登録支援機関になると、十分な支援がされないと判断され、特定技能ビザが取得できない可能性がございます。

そのため、所属機関に対し、きちんと支援体制が整っていることを説明し、支援委託契約を締結するようにします。

登録支援機関は、複数の受入れ機関との間で支援委託契約を締結することが可能です。しかし、契約した受入れ機関について、支援計画を確実に実施しなければならないため、支援をする体制をきちんと作るように注意します。

3.登録支援機関になるための要件

特定技能外国人支援計画の全部の実施を行う者は、出入国在留管理庁長官から登録支援機関の登録を受けることができます。

登録を受けるためには支援計画の全部を実施できる必要がございます。支援の一部のみを行うものとしては登録を受けることはできないため注意しましょう。

登録できるのは、法人に限らず、個 人事業主、ボランティア団体等の任意団体も登録可能です。

登録は5年間有効となります。

引き続き登録支援機関として業務を行うには、出入国在留管理庁に対し、登録の更新を行う必要がございます。

登録の要件

①支援責任者と支援担当者が選任されていること

役員又は職員の中から支援業務を行う支援責任者及び支援担当者を選任する必要がございます。

支援責任者は、所属機関ごとに1名選任します。支援担当者は、事務所ごとに1名以上の選任します。

支援責任者が支援担当者を兼ねることもできますが、支援担当者として支援業務を行う事務所に所属することが求められます。

例えば、東京に本社、大阪に支社がある会社で、どちらでも支援業務を行う場合は次のようになります。

  • 東京:支援責任者1名。支援担当者を1名以上。(支援責任者と支援担当者を兼ねることができます。)
  • 大阪:支援担当者1名以上。(大阪に支援責任者を置くこともできます。)

②中長期在留者の受入れ実績又は相談業務経験があること

受入れ実績又は相談業務経験として、次のいずれかに該当する必要がございます。

  1. 2年以内に中長期在留者(就労資格に限る。)の受入れ実績がある。
  2. 2年以内に報酬を得る目的で、業として、外国人に関する各種相談業務に従事した経験がある。
  3. 選任された支援責任者と支援担当者が、過去5年間に2年以上中長期在留者(就労資格に限る。)の生活相談業務に従事した経験がある。
  4. 上記の者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として出入国在留管理庁長官から認められる。

2.に関しては、行政書士事務所や法律事務所が該当すると思われます。また、3.に関しては、監理団体等が該当すると思われます。

③情報提供・相談等の対応体制

支援業務の適正性の確保の観点から、次のいずれも満たす必要がございます。

  1. 特定技能外国人が十分に理解できる言語による適切な情報提供体制が整っている。
  2. 担当職員を確保しての特定技能外国人が十分に理解できる言語による適切な相談体制が整っている。
  3. 支援責任者か支援担当者が、特定技能外国人とその監督をする立場にある者との定期的面談体制が整っている。

十分に理解することができる言語とは、外国人の母国語に限りません。例えば、英語を第二言語とするフィリピン人に対し、英語で対応することなどが考えられます。

担当職員の確保については、通訳人を職員として雇い入れることまでは必要ありません。必要な際に委託して通訳人を確保できる状況が整っていれば良いとされています。

相談対応は、24時間体制である必要はありません。複数の職員を確保し、平日3日以上、土曜・日曜のうち1日以上で対応し、就業時間外などにも対応できることが求められます。

定期的な面談とは、3か月に1回以上面談を実施する必要がございます。

④関係法律により刑罰を受けたことがないこと

次のいずれかに該当する者は、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しないと登録できません。

  1. 禁錮以上の刑に処せられた者
  2. 出入国又は労働関係法律に違反し、罰金刑に処せられた者
  3. 暴力団関係法令、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者
  4. 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者

⑤行為能力・役員などの適格性

次のいずれかに該当する者は、登録支援機関になることはできません。

  1. 精神機能の障害により支援業務を適正に行うに当たっての必要な認知等を適切に行うことができない者
  2. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  3. 法人の役員、未成年の法定代理人で登録拒否事由(法第13号及び第14号を除く。)に該当する者

⑥登録支援機関の登録を取り消されたことがないこと

登録支援機関としての登録の取消しを受けた場合、当該取消日から5年を経過しない者(取り消された法人の役員であった者を含む。)は、登録拒否事由に該当し、 登録支援機関になることはできません。

⑦出入国又は労働関係法令に関し不正行為を行っていないこと

登録の申請の日前5年以内に、入管法、技能実習法、労働基準法、労働安全衛生法等の、出入国又は労働関係法令に関する不正又は著しく 不当な行為を行った者は、登録拒否事由に該当し、 登録支援機関になることはできません。

⑧暴力団員等でないこと

「暴力団員」、「 暴力団員等がその事業活動を支配する者」等、暴力団排除の観点から登録拒否事由に該当します。

⑨行方不明者を発生させていないこと

登録支援機関が外国人について自らの責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させている場合には、当該機関の支援体制が十分であるとはいえないことから、 過去1年間に行方不明者を発生させていないことを求めるものです。

⑩支援業務実施に係る文書の作成をすること

登録支援機関に対し、1号特定技能外国人支援計画の実施状況に関する文書を作成し、支援の対象である1号特定技能外国人に係る特定技能雇用契約終了日から1 年以上備えて置く必要がございます。

なお、出入国在留管理庁へ報告資料の提出をせず、又は嘘の報告や資料を提出した場合、登録の取消し対象になるため注意が必要です。

⑪特定技能外国人に支援に要する費用を負担させることによる拒否事由

1号特定技能外国人に対する支援に要する費用は、1号特定技能外国人に直接的又は間接的にも負担させていないことが必要です。

そのため、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、相談・苦情対応及び定期的な面談の実施に係る通訳人の通訳費などは、外国人に負担させることはできません。

なお、 住宅の賃貸料などの実費を必要な限度において本人に負担させることはできます。

⑫支援責任者及び支援担当者と特定技能所属機関等との関係性による拒否事由

支援責任者又は支援担当者が、登録拒否事由に該当しないことが求められます。

主な登録拒否事由は次のとおりであり、心当たりがある場合は、事前に出入国在留管理庁に確認する必要がございます。

  • 禁錮以上の刑罰を受けたことがある
  • 労働関係法令に違反したことがある
  • 入管法、技能実習法に違反したことがある
  • 暴力団員であった
  • 精神障害が有り、意思判断が適切に行えない
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない など

また、特定技能所属機関の役員の配偶者や2親等内の親族のほか、特定技能所属機関の役員と社会生活上密接な関係を有する者が支援責任者として選任されている場合は、登録支援機関になることはできません。2親等以内の親族とは、祖父母、兄弟姉妹、孫となります。

過去5年間に特定技能所属機関の役員又は職員であった者を支援責任者として選任している場合についても、登録支援機関となることはできません。

⑬支援費用額等の明示義務

登録支援機関は、特定技能所属機関から支援計画の全部の実施の委託を受ける際は、支援業務に要する費用の額及びその内訳を示す必要がございます。

4.登録支援機関の登録申請

提出書類

  • 申請書及び添付書類は、片面印刷にて作成します。
  • 登録支援機関の登録(更新)申請に係る提出書類一覧・確認表PDFEXCEL)」にて必要な書類を確認し、書類を番号順に並べ、提出します。
  • 原本の提出が求められるものは、発行(作成)後3か月以内のものになります。
  • 様式は法務省ホームページ上でも配布しています。
番号必要な書類留意事項
1手数料納付書 PDFWORD
  • 新規登録:2万8,400円分の収入印紙
  • 登録更新:1万1,100円分の収入印紙
2登録支援機関登録申請書 PDFWORD
3登記事項証明書法人の場合に提出
4住民票の写し
  • 個人事業主の場合に提出
  • マイナンバーの記載がないもの
  • 本籍地の記載があるもの
5定款又は寄附行為の写し法人の場合に提出
6役員の住民票の写し
  • 特定技能所属機関が法人である場合に提出が必要
  • マイナンバーの記載がないもの
  • 本籍地の記載があるもの
  • 特定技能外国人支援に関する業務の執行に直接的 に関与しない役員に関しては、住民票の写しに代え て、誓約書(特定技能外国人支援に関する業務の執 行に直接的に関与しない旨と法令に定められている 欠格事由に該当する者でない旨について申請者が確 認し、誓約したもの。)の提出でも可)
  • 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未 成年者が役員については、当該役員及びその法定代 理人の住民票の写し(法定代理人が法人である場合 は、当該法人の登記事項証明書及び定款又は寄附行 為並びにその役員の住民票の写し)の提出が必要
7特定技能所属機関の役員に関する誓約書 PDFWORD住民票の写しの提出を省略する役員がいる場合に提出が必要
8登録支援機関概要書 PDFWORD
9登録支援機関誓約書 PDFWORD
10支援責任者の就任承諾書及び誓約書の写し PDFWORD
11支援責任者の履歴書 PDFWORD
12支援担当者の就任承諾書及び誓約書の写し PDFWORD
13支援担当者の履歴書 PDFWORD

提出先

地方出入国在留管理局又は同支局(空港支局及び出張所を除く。)に提出します。

申請方法

直接窓口に申請するか、郵送による申請も認められています。

郵送により申請する場合には、封筒の表面に赤文字で「登録支援機関申請書在中」と記入します。

審査期間

2か月程度

支援業務を開始する予定日の2か月前には申請を行うことが必要です。

申請の混雑状況により審査期間は長引く可能性がございます。期間に余裕を持って申請を行いましょう。

申請手数料

28,400円

登録拒否の場合でも、審査手数料は返金されません。

登録支援機関登録申請書

登録支援機関登録申請書のフォーマットは次のとおりです。

 

登録支援機関概要書の記載例

支援責任者の履歴書の記載例

支援担当者の履歴書の記載例

 

 

5.登録支援機関の支援内容

登録支援機関の主な支援内容は次のとおりです。

  • 事前ガイダンスの提供
  • 出入国する際の送迎
  • 適切な住居の確保に係る支援・生活に必要な契約に係る支援
  • 生活オリエンテーションの実施
  • 日本語学習の機会の提供
  • 相談又は苦情への対応
  • 日本人との交流促進に係る支援
  • 外国人の責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合の転職支援
  • 定期的な面談の実施、行政機関への通報

これらの支援が適切に行える体制を整える必要がございます。

6.登録後の手続き関係

登録更新申請

登録は5年間有効となります。引き続き登録支援機関として登録するには、更新申請をする必要がございます。

変更の届出

申請書の記載事項に変更があった場合、変更の日から14日以内に変更の届出をする必要がございます。

届出が必要となる変更事項は次の通りです。

  • 氏名又は名称
  • 住所
  • 代表者の氏名
  • 支援業務を行う事務所の所在地
  • 支援業務の内容及び実施方法
  • 支援業務を開始する予定年月日
  • 特定技能外国人からの相談に応じる体制の概要

休廃止の届出

支援業務を、休廃止したときは、休廃止日から14日以内に、支援業務の休止及び廃止に係る届出書を提出します。

支援業務を休廃止しようとする場合でも、支援中の業務があるときは、支援に影響がでないよう、所属機関と相談し、他の登録支援機関から引継ぎしたりなどの対応をする必要がございます。

支援の実施状況に関する届出

四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、地方出入国在留管理庁に支援業務の実施状況等を記載した書類を提出します。

届出事項

  1. 特定技能外国人の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地及び在留カードの番号
  2. 特定技能所属機関の氏名又は名称及び所在地
  3. 特定技能外国人から受けた相談の内容及び対応状況(労働基準監督署への通報及び公共職業安定所への相談の状況を含む。)
  4. 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為の発生、特定技能外国人の行方不明者の発生その他の問題の発生状況

四半期

  • 第1四半期:1/1~3/31
  • 第2四半期:4/1~6/30
  • 第3四半期:7/1~9/30
  • 第4四半期:10/1~12/31

7.まとめ

いかがでしたでしょうか?

登録支援機関とは、特定技能外国人に対する支援を、所属機関の代わりに行うことができる機関だということがわかったと思います。

支援業務には、入国前の説明や、勤務開始後の定期的な説明・相談業務がございます。また、それらの実施報告を出入国在留管理庁へ届出する必要もございます。

外国人が日本社会で安心して働くために、登録支援機関の果たす役割は極めて重要です。