外国人技能実習生とは何か?

1.外国人技能実習生とは

外国人技能実習生とは、在留資格「技能実習」を取得し、日本で働きながら技術・技能・知識を学ぶ外国人のことです。

在留資格とは、外国人が日本で行うことができる活動内容を法律で定めた制度です。一般的に「ビザ」と呼ばれています。

技能実習生は、最長5年間、日本で実習を受けることができます。技能実習が終わると本国へ帰国し、その技能を母国のために活かすことになります。

2018年末時点の外国人技能実習生の数は約33万人、在留外国人全体約273万人(外国人観光客などの短期滞在者を除く。)に占める割合12%となります。

たくさんの外国人技能実習生が日本で技能・技術等を学んでいると言えます。

技能実習生は、実習先の会社と雇用契約を締結するため、日本人と同じように労働基準法、最低賃金法、社会保険、労働保険などが適用されます。

日本人労働者との違いは、管法と技能実習法が適用されることです。

入管法や技能実習法は、複雑な法律構成となっており、労働法も絡んでくるので、雇用管理をしっかり行う必要があります。

2.技能実習生ができる仕事

技能実習生ができる仕事は、技能実習を2年以上行う場合は、法令で限定された職種となります。

2年以上行うことができる職種は、2019年3月14日時点で80職種144作業となります。農業、漁業、建設、食品製造、繊維・衣類、機械・金属、自動車整備、ビルクリーニング、介護などがございます。詳細は後ほど説明します。

なお、1年のみ実習する場合は、単純労働でなければ職種に制限はありません。

技能実習生には、入国年数に応じ1号~3号へとステップアップしていきます。

入国年数技能実習生区分実習期間修得目標職務内容
1年目技能実習1号1年技能検定 基礎級制限なし
2年目~3年目技能実習2号2年技能検定 3級移行対象職種
4年目~5年目技能実習3号2年技能検定 2級一部を除く移行対象職種

「技能実習1号」は1年目の実習生です。2年以上実習を受けるためには、2号へ移行可能な職種の実習を受け、技能検定基礎級に合格しなければなりません。

「技能実習2号」は、技能検定基礎級などに合格し、技能実習1号を修了した実習生です。2号の実習期間は2年あります。2号になれる仕事は限定されており、これらの職種を「技能実習2号・3号移行対象職種(2019年3月14日)」と言います。

「技能実習3号」は、技能検定3級などに合格し、技能実習2号を修了した実習生です。3号の実習期間は2年あります。3号になれる仕事は規定がされております。技能実習2号移行対象職種で、一部の作業が対象外となります。ほとんどの技能実習2移行対象職種が3号になれます。

技能実習2号・3号移行対象職種(2019年3月14日)」※表示される表のオレンジで塗られた作業以外は3号に移行できます。

3.技能実習生受入れの方法

技能実習生を受け入れる方法は、自社で行う方法と、監理団体を通して行う方法の2種類があります。

自社で行う方法を「企業単独型」といい、監理団体を通して行う方法を「団体監理型」といいます。

企業単独型は、日本企業で海外現地法人から実習生を受け入れる場合です。トヨタ自動車やパナソニック等が、海外工場の外国人従業員を日本の工場で実習をするなどが考えられます。

一方、団体監理型は、事業協同組合等の監理団体が実習生を受け入れ、その組合員の企業で技能実習を実施するものです。多くの中小企業はこの方法をとっています。

外国人実習生の受入事業を行っている組合は、国から監理団体の許可を受けており、その組合を「監理団体」と呼びます。

中小企業者が技能実習生を受け入れようと思った場合は、通常、事業協同組合(監理団体)へ相談・申込みをすることになります。

実際に受け入れる場合は、その事業協同組合(監理団体)の組合員となり、外国人技能実習生を受け入れることになります。

団体監理型での実習生受入れにかかる費用

費用は、監理団体への入会金や組合費(年会費)、外国人技能実習生受入費用が発生します。

初期費用の目安として、1人を受け入れる場合は70万円前後、3人を受け入れる場合は150万円前後の費用が必要になります。

来日後の費用の目安は、年間70万円前後となります。毎年の費用は、事業協同組合(監理団体)や外国現地の送出機関への、管理費用や在留資格等の手続き費用となります。

合計費用は、賃金や手当以外に、1人当たり3年間で280万円前後の費用がかかるということになります。

(内訳:入国前の初期費用70万円+1年目70万円+2年目70万円+3年目70万円)

技能実習生の入国から実習開始まで

  1. 監理団体へ相談・申込み
  2. 実習生の募集・面接(約1か月)
  3. 現地講習(外国で日本語教育や生活習慣など)と各種手続き(約3~4か月)
  4. 実習生が日本へ入国
  5. 実習前講習(1か月)
  6. 実習開始

技能実習が開始されるまでには、監理団体への申し込みから6か月はかかることになります。

この間に外国人技能実習生を受け入れることができる社内体制を構築することになります。

4.技能実習制度の問題

失踪問題

外国人技能実習生が突然会社からいなくなる失踪問題は多くの報道で取り上げられています。最初から、失踪目的で来る外国人もいるかもしれませんが、失踪するには何かしらの理由があるとされています。

  • 例劣悪な環境での労働させられていた。
  • 日本人労働者と差別的取り扱い(危険な業務のみ技能実習生にやらせる等)を受けていた
  • 本来の実習内容と違いことをさせられた(建設業関係で除染作業をさせていた等) など

これらの問題は、技能実習制度を理解していない外国人技能実習生自身の知識不足に付け込んだブローカーなどの介在。技能実習実施機関の、コンプライアンス意識の低さなどが考えられます。

また、外国人技能実習生は、日本に来る前に多額の借金をして日本に来ている者がいます。そのため、前述のような理由が発生しても、金銭的理由で途中で辞めることができず、別の会社で不法就労する等となってしまいます。

技能実習生の対象国は、発展途上国などの日本と経済格差が大きい国がほとんどです。そのため、日本で収入を得ないと借金の返済に苦しむため、失踪してでも日本で働きたいと考えてしまいます。

5.技能実習生から特定技能1号への移行

2019年4月1日より在留資格「特定技能1号」が創設されました。

技能実習2号修了者で、特定技能1号対象の14分野に該当すれば、在留資格変更許可申請を行い、実習終了後に日本で働くことができます。

特定技能1号の14分野

①介護業、②ビルクリーニング業、③素形材産業、④産業機械製造業、⑤電気・電子情報関連産業、⑥建設業、⑦造船・船舶工業、⑧自動車整備業、⑨航空業、⑩宿泊業、⑪農業、⑫漁業、⑬飲食料品製造業、⑭外食業

まとめ

外国人技能実習生とは、日本で働きながら、技術などを学んでいる外国人だとわかりました。

外国人技能実習生の受け入れ企業と実習生は、雇用契約を締結するため、日本人と同じような労働者として扱われます。