補助金と助成金の違い

補助金と助成金の違い補助金と助成金の違い

「補助金」と「助成金」

どちらも「返さなくてもよいお金」として、特に違いを意識している方はそう多くはないかと思います。

もちろん、返済しなければならない融資とは異なり、どちらも返済不要のありがたいものではあるのですが、今後補助金または助成金を獲得しようとお考えの事業者の方は、両者の違いをきちんと把握しておいた方がいいと思います。

 

1.補助金と助成金の違い

補助金と助成金の主な違いについては、以下の5つをおさえておくとよいでしょう。

 

(1)利用目的の違い

まず、補助金と助成金では利用目的が異なります。

補助金については、主な利用目的は「販売促進のため」です。

例えば、新規事業や新商品・新サービスを展開するにあたり、新しくホームページを制作したりチラシ・パンフレット・リーフレットを制作して配布したりして、自社の新規事業などの周知をしたいときなどに補助金を活用できる可能性があります。

言い換えれば、補助金は「自社の安定的な売上を確保するため」にもらえる可能性があるものです。

一方で、助成金の主な利用目的は「雇用や職場環境の整備などのため」です。

例えば、非正規社員を正社員に登用したり、ハンディキャップをお持ちの方を積極的に雇用したり、育児休暇を積極的に取得できるような環境づくりをしたりする際にもらえるものが助成金です。

ですので、主な利用目的が自社の販売促進のためである補助金とは異なり、助成金は今話題の「働き方改革」にも大いに関係してくるのではないかと考えられます。

 

(2)財源の違い

補助金と助成金ですが、どちらも国や自治体の予算から支出されるものです。

ただ、両者では財源が異なります。

まず、補助金の主な財源は「税金」です。

補助金は経済産業省や環境省などに割り当てられた予算から支出されることが多く、これらの元をたどれば、私たちが納めた税金が財源となっているのです。

一方で、助成金の主な財源は「雇用保険」です。

先ほどもお伝えしましたが、助成金の主な利用目的が「雇用や職場環境の整備などのため」ですので、主に厚生労働省が管轄となり、雇用保険が財源となっているのです。

 

(3)もらえる金額の違い

補助金と助成金では、事業者がもらえる金額も異なります。

全てがそうであるわけではないのですが、一般的に補助金の場合は金額が高く、1億円を超えるような補助金も少なからずある一方で、雇用関連の助成金については数十万円ないしは数百万円くらいのものが中心になっています。

補助金の中には、昨今の環境問題への取組みを支援する目的で、例えば太陽光発電システムを導入するための補助金として金額が大きくなるようなものもあり、助成金に比べれば一般的に金額が大きくなる傾向があります。

 

(4)難易度の違い

補助金も助成金も、どちらも何もしないでもらえるわけではありません。

必ず申請書類を作成し、添付書類なども収集して提出しなければなりません。

そして、補助金と助成金の担当部署がチェックをするのですが、補助金の場合は一般的に厳密な審査があります。

補助金では通常「経営計画書」や「事業計画書」などを作成して提出しなければならず、これらの出来がより良いものから順番に採択されます。

つまり、入学試験を受けて合格点に達する必要のある高校受験や大学受験などと同じような感じです。

ですので、補助金の中には採択率が数パーセントしかないようなものもありますので、応募したからといって必ずしも採択されるとは限らず、一般的に難易度は高めと言えるでしょう。

一方で、助成金の場合は、確かに必要書類を作成したり収集したりする手間はありますが、各助成金ごとに設けられている要件をきちんと満たすようにすれば助成金をもらうことができます

ですので、各助成金の要件に自社があてはまるかどうかさえきちんと確認し、準備をすれば、高い確率で助成金をもらうことができるでしょう。

 

(5)サポートする専門家の違い

補助金も助成金も、自社で全て必要書類などを準備しようとすると結構な時間を要する場合もあります。

そんなときに専門家を活用することも一つの手段です。

補助金の場合は、サポートしている専門家は実に多岐にわたります。

例えば、国家資格等をもたない一般的なコンサル会社も補助金ビジネスを展開していますし、もちろん国家資格を有する中小企業診断士や税理士・行政書士なども補助金の申請サポートをしていることがあります。

一方で、助成金の申請サポートについては社会保険労務士の専門分野です。

先ほどもお伝えしましたが、助成金の財源が雇用保険ですので、雇用保険を専門とする社会保険労務士こそ助成金の専門家なのです。

 

2.補助金と助成金の共通点

これまでに補助金と助成金の主な違いを5つお伝えしましたが、もちろん両者には共通点があります。

最大の共通点はやはり「返済不要」という点だと思います。

通常設備資金や運転資金などが必要になった場合は、金融機関から融資を受けることを検討するかと思います。

ただ、融資ですともちろん将来的には返済する必要がありますし、金利や担保の問題もあるでしょう。

でも、補助金と助成金の場合は、もちろん応募するための手間や採択されるか否か分からないという点はあるものの、やはり「返さなくてもよい」お金である点は非常に魅力的です。

 

3.「補助金=助成金」の場合もある

これまでに補助金と助成金の主な違いをお伝えしてきました。

ただ、本当は補助金の性質を持つものを「助成金」という名称で募集している自治体や団体もあるのです。

その代表例が東京都の「助成金」です。

東京都では「助成金」の募集を随時しているのですが、その募集内容をよく見てみると、性質としては「補助金」であることが多いです。

ですので、各省庁や全国の自治体のホームページなどをチェックした際に、「補助金」と「助成金」という言葉だけで判断するのではなく、あくまでも中身をきちんと確認したうえで、「補助金」の性質を有するものなのか「助成金」の性質を有するものなのかを判断しなければならないのです。

 

4.まとめ

今回は、補助金と助成金の主な違いを5つお伝えしました。

これら5つ以外にもまだまだ細かい違いはありますが、こうしたことをきちんと把握しておくことで、自社に最適な補助金と助成金を見極めやすくなると思います。

そうすることで、無駄な時間と労力を割かずに、効率よく自社が補助金または助成金を獲得できるチャンスも出てくるでしょう。

毎年春になると補助金と助成金の募集が活発になってきますので、これらの獲得をお考えの事業者の方は、常に最新情報に触れるようにしてください。

必要であれば、中小企業診断士や税理士・行政書士・社会保険労務士などの専門家の活用を検討することもおすすめします。